海外へ無料で行く極秘マニュアル
毎回、ドイツ語新聞記事を読む、楽しむ
海外旅行に欠かせない、世界
のどこへでも一枚の 「シティバンクカード」
スウェーデン編
No.22」スカンディナビア半島、ノルウェー海岸線を南下する
No.24」日曜日、スウェーデン語を早急に喋れるようになろうと意思する
No.25」何?老夫婦はこの日本人を養子に迎える積りだって!?
No.27-1」スウェーデンはもう9月!濃霧の中、朝の出勤、自転車でゆっくりゆっくり
No.27-2」スウェーデンの女の子たちとスウェーデン語で話せた!
No.29 」ノルウェー娘がまたやって来た! えっ、18才なの!?
海外へ無料で行
ける極秘マニュアル
No.39
」
レストランでの仕事が出来る日は今となっては、土曜日と日曜日だけ。
No.41」Festに参加。真夜中の道、一人で歩いて帰った。 No.45」食事室で英文学を読む
No.48 スウェーデンに住んだ
メールマガジンで不定期に綴っております。 メルマガ天国 http://melten.com/m/12168.html
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日曜日には特別の意味があるのか?
ヨーロッパひとり旅 ↑
スウェーデンで仕事を得た
No.25■はじめてだった! ヨーロッパ(スウェーデン編)ひとり旅・滞在■
19xx年8月18日(日)晴れ Ås,Sverige
先日、ヒロよりも年上で、既に結婚していて子供は6人も! いるという娘さん、
名前はマリアンヌさん、30歳、その彼女と電話で話した。英語での対話であった。
意外な事実を告げられた。
この老夫婦、つまりマリアンヌさんのご両親は「あなたを養子として迎えたい意向があるそうなのよ」と。
それを娘さんから聞かされた時、「ええっ!?」と吐き気を催しそうになった。
マリアンヌさんには当然ながらヒロの姿が見えなかっただろうが、多分、
電話口での暫しの沈黙を通じて何かを感じたかもしれない。ヒロは少々動揺を禁じえなかった。
つまり、直観した――
「この身が拘束されるのか!? それは嫌だ! 御免だ!」
頭の中は爆弾を受けたかのようにクラクラした。
ヒロは常に自由で、独立の身でありたいと
思い続けていたし、それを目指している。これからもずっと旅を続けて行くのだと
も思っていた。だからその告白は胸に突き刺さった。
養子にするって、そんなこと、本人の意思も確認しないで、そんなことが出来るのだろうか?
何故、養子なのか?
電話を切った後、しばらくその理由を自分なりに考えてみた。東洋人に対する珍しさも手伝ってか、
そうした意向を多分持つに至ったということなのだろうか。
それともスウェーデンでは東洋の子供たちを養子にすることが流行っているのか。ちょうど良い具合に
候補者が目の前に現れてくれた、 ということか。自分たちの願望を神様は聞いてくれて、
本人を送って来てくれた、ということか。ご夫婦の目から見ればヒロも東洋の子供のように見えるのだ。
今こうしてヒロ自身の、自分勝手な解釈を展開しているのではあるが、考えられる理由の一つ、
それは既に述べてきたように自分たちの単調な、退屈な生活に活(カツ)を入れたいから、 いやカツどころではない、もっと強烈にガツンと入れて貰いたいという欲求の現れであろうか。
それとも跡取りが必要なのか。この家を管理する人が必要なのか。
■スウェーデンでの老後生活、コンタクトを求めて
確かにスウェーデンの、老後を迎えた人々の生活はどの場合も大同小異であろう。新聞、
雑誌を開けば「私はあなたと接触することを求めています」などというコンタクト欄、
個人同士の求人欄が設けられているのをよく見掛ける。仕事を探している人に対する求人ではなく、
一般人の個人的な日常での接触を求める、普通の個人に対する求人である。
「私はあなたとお話がしたいのです。どうか下記の電話番号までお電話ください。
お待ちしております」
そんな風に多くは書いてある。
「ねえ、誰か、私のこと、構って貰えないかしら!?」
「私の話しを聞いて! 話し相手になって! 」
孤独なご老人たち、西洋の人たち、なのか? 新たなコンタクトを必要としているのか。
年を取ってもまだ何かが満たされていないと感じている。
幸福な生活を送っていますか、などと直裁に質問を投げ掛ければ困惑、当惑するに違いない。
しかし退屈を覚えているのは本当だろう。欠伸(あくび)が出て来るのを抑えている。
ヒロが見ていない隠れたところで、欠伸をしているのかも知れない。
ヒロ自身退屈を覚えるようになってしまったし、
ヒロ自身も周りに聞こえないようにだが、押し殺しながら欠伸ばっかり出てくる。
ご夫婦風の生活様式を打破するために、そしてそこから脱却するために、この家に招かれたというのに、
ヒロ自身がご夫婦風の生活に染まって来た、いやもう染まってしまった。現状を観察してみると、
もう手遅れだということになるのか。まだミイラにはなりたくはない年齢、つまり相当な若年
(じゃくねん)ではあるのだが、将来ミイラになるかも知れないことを見越して、
生きているうちにそんな予行練習を早々とヒロはやっているということなのだろうか。ミイラ取りがミイラになってしまったよ。
老夫婦は昨晩、土曜日、夕食会に招待された。
ヒロも招待されているということだったらしいが、
ヒロは気が進まなかった。だからヒロはついて行かなかった。
今、ヒロは沈黙を保っている。沈黙したまま、こうして相変わらず書き綴っている。
知らぬ間に根を詰めてしまった。
ふと窓の外、大空を見上げる。
自由な、果てしなき、青々とした、広がりがそこには展開している。
白い雲はヒロであった筈ではないのか。
自由な存在でありたい。その止み難い願望、希求、欲求が自身の内に感じられる。
自分は年寄りの仲間入りをする程には、まだ年は取っていない!
■得る所?
「この二週間の滞在で何か得る所はあったかい?」
郵便配達夫である息子さんのシェルが久しぶりに自分のご両親を訪ねて来た序に、
ヒロに訊いた。
ヒロがご両親の所にお世話になっているということは電話ですでに伝えられていた。
一日本人が泊まっているということで少なからずの興味を惹かれていたらしい。
得る所とは何か? 解釈の仕様によってはどうにでも答えられないこともない。つまり答えられる。
少々スウェーデン語を覚えたことは確かだ。紛れもない事実だ。
「何も得る所はなかった」と言えないこともない。つまり言える。少なくとも、まだ、
どう表現すれば的確なのか、
つまり自分の目的は未だ遂げられていない、と感じている。外国へやって来たというのは、そんな何かを
捜し求めて来たからではなかったのか? その何かとは、何か。
Just!
Jag söker efter någonting.
彼等達の生活様式、スウェーデンでの老後生活様式の一端を自分の目で観察出来る機会が与えられたということで、
確かに得る所があったと言える。
■変わりやすい天候
変わりやすい天候だ。晴れていたと思ったら、俄かに空は曇り、雨が降り出して来た。
暫くすると雨も止み、またまた晴れ渡ってくる。スウェーデン中部地域の天候状態は、
ここ数日、こんな風である。非常に良い天気であったからと言って、
それが終日続くことは稀だ。
ラジオだけは付けっ放しの、鳴りっ放し。家の中、まるでヒロ以外には誰もいないかのようだ。
そしてヒロは書き放し。
実はご夫婦はいわば交代交代で午後の一、二時間、自分たちの寝室へ入って行っては体を横たえている。朝から晩まで突っ立っていると
体が疲れる。相手に対して気を使いすぎると精神的にも疲労すると思われる。ヒロ自身それを実感しているのだから。
ご夫婦はこの今日という日曜日を取り扱いかねているかのようだ。今日はバイブルの集会には出掛けなかった。
ヒロは頑強にも口を閉ざしているので、ヒロに気兼ねしてしまってか、自分たちも口を開くことを差し控えているかのようだ。
これでは日曜日とは口を休める日でもあるかのようではないか。
自分の内では晴れ渡った空が消えてしまっている。ご夫婦は、特にマリアさんはヒロと喋り合える時を求めている。そうなのだ。 沈黙はマリアさんにとっては耐えがたい重荷なのだ。時々の、宗教的な集会やら電話での喋り合いによってかろうじて社会とのつながりを保っている。
■スウェーデン語の個人教授
マリアさんはある日、スウェーデン語を個人教授してくれると、わら半紙にスウェーデン語を書いてくれた。以下の通り。
ヒロの願望を代理して表現してくれた。またマリアさん自身の願望をヒロに伝えようとしていることが、後日であったが、理解出来た。
やはりそうであったか、と。
「わたしがスェーデンを発つ前に、あなたとスウェーデン語で話してみたい」つまり、マリアさんが話したい。
Jag skulle vilja tala på japanska med
dig.
「わたしはあなたと日本語で話したい」わたしとはマリアさんのこと? 日本語で?
Jag skall skicka ett kort när jag
kommer till Japan kanske nästa år.
「わたしは多分、来年、日本に帰ったら、カードを書きます」つまり「カードを送ってくださいね」と間接的にヒロに伝えようとしていた。
Jag skulle vilja bli expert på
svenska.
「わたしはスウェーデン語の専門家になりたい」
Jag skulle vilja bliva expert på
englska.
「英語の専門家になりたい」
Jag skulle vilja få arbete i
Stockholm på restaurang, och tjäna pengar, för resor i
Europa.
「わたしはスットクホルムでレストランでの仕事を得たい。ヨーロッパを旅するために稼ぎたい」
■誰が頼れるのか
息子夫婦とその家族、子供たちはそんなに遠くはない所に住んでいる。が、そう頻繁におじいさんおばあさんの所を訪れるという訳でもない。
息子とその奥さんの仲も少々ぎくしゃくしたものがあると聞かされている。とにかく親は親、子は子といった風に、別々の所帯が持たれていて、
同居はしていない。
一方、ヒロに電話を掛けてきた娘さんとその家族たちは結構遠い所に住んでいる。娘さん夫婦の方はご主人の収入も良く、
結構裕福な生活を送っているとのことだ。
一番近くにいるのが、このヒロということだ。
宗教的な恭順さから時には離れる必要があると彼等達は感じているのではないのか。酒を飲んで大いに法螺を飛ばしあうことは忌避すべきことなのか、
などと西洋社会の宗教的な環境の中で育ってこなかったこの東洋人はいたずらっぽく皮肉的に、冒瀆的に質問したくもなる。
勿論、興味、趣味、関心の相違は当然その生活態度にも影響を及ぼすであろう。酒を飲まないことが咎められるとは勿論一概には言えぬことだ。
しかし、難しい問題だ。そこには宗教的な教理から導出された生活態度であるかのようで、それを変更することは出来ない相談のようだ。
教理に反してまで自己を処そうとすれば、自己の内で精神的な葛藤を招来させなければならず、それは心の平穏にとってマイナス要因となるゆえ、
極力避けねばならない。自己の欲求を抑えてさえも教理に忠実であることは自己に忠実であることにもなるのであろうか。
宗教心、信仰を持った人が読めば、何と頓珍漢なことをこの人は考え書いているのだろうと感想を抱くかもしれない。そう、
ヒロは結構身勝手なことを考え書いているようだ。
実は退屈で退屈で退屈で退屈で仕方ないのではなかろうか。外的に平穏な生活とは実は退屈の別称ではないのか。
自己を自己以外の何物かに注ぎ込むことによってのみ自身の人間存在が実感できないような生活が送られてきた人々にとって、
その何物かが存在しなくなってしまった時から別の
平穏無事な、または退屈な生活が始まるとは何という皮肉か。
ヒロ自身が単調で退屈な生活に堕してしまった。躓いてしまった。それは自分自身にも責任がある。 スウェーデン語の勉強に終始するような、予め定められた生活のリズムを形成してしまったことがその原因の一つと考えられる。
そろそろ実践の段階に進もうではないか。理論編はこの辺でお仕舞いにしよう。
■新しいことを始めよう!
何か新しいことを始めなければならない。が、まだ始めてはいない。仕事でも得て、この生活様式を打開する必要がある。
そう感じている。それは正にヒロ自身に課された事柄であって、ヒロ自身が一人始めなければ始まりさえも生まれない。
何時までも、何時までも何時までも何時までも待ってはいられない。もう頃合だ。
さて、それではいつ始めるのか? こんな生活様式に飽き飽きしている自分自身に愛想を尽かしていながら、
行動を起こせないでいる自分自身が今、目の前に立っている、いや、座っている。ヒロ自身も負けず劣らず燻り続けて
きた。
ヒロ自身の属性とでもいうのか、それは何処にいようとも変わり得ないものなのか。自己の自由、独立性を維持、
保持しよとしている内心の声に従おうとしている自分なのだが、実は
、そうであってはならないのかも知れない。
つまり外部の状況にもっと徹底的に翻弄されるべきなのかも知れない。ヒロはまだ、まだまだ、活動的な存在に留まっているべきなのだ。
定着はまだこれから先のこと。定着は自由な活動、行動を続けるに当たってある時は障害となるばかり。そう銘記すべきだ。
定着の仕方に問題があるようだ。定着の毎日であったとしても毎日の定着であっては直ぐに変化を感じ取る感覚を失うらしい。
そのちょうど良い定着の期間とはどのくらいと言えようか。二週間が既に経過して、この通り、上述の通りである。今後の課題の一つとして、
積極的に取り組まなければならない問題のようだ。
何時までも変わることがないような繰り返し。常に、新たに、挑戦することが何ら見出せなくなってしまった。 朝、起きる。洗顔に行く前にベッドのシーツを畳む。そして紅茶を飲み、来る日も来る日も代わり映えのしない朝食メニューを渋々口に運び日本製の胃で消化し、それが終わると床の掃除だ。拭くこともある。郵便局に行って届いている郵便を取りに行ったり、買い物に行かされたり、と一通りに用事が済む。
そこで、さて、それではスウェーデン語の勉強でも一人で始めるとするか。と、もう夕食時間だ。時の経過の何と早いことか!
寝る前に少し、名だけの読書。そんな一日の時間表をたどることも、もう放棄すべき時が来ているのだ。
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