フィンランドの民家、その庭にテント、一泊      ヨーロッパ一人旅↑     家の中にプールがある、フィンランドの民家で一泊招待


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オーストリアからのメール 

 

 

フィンランド編  


 No.9  市内、フィンランド航空のスチュアデスさんに話し掛けれ、自宅に招待される

No.10 ヘルシンキを出発、北へとヒッチハイクの旅が始まった

No.11 キャンプ場のテントで一夜を過ごした

No.12 フィンランド、ヒッチハイクの旅が曲がりなりにも続く

No.13 ヒッチハイクが難しい、じゃあ「フィンランド徒歩の旅」に変更するか?

No.14 フィンランドの民家、その庭にテントを張った所に一泊となる

No.15 Kärsämäki まで。日本の小旗を振りながらヒッチハイク

No.16 家の中にプールがある、フィンランドの民家で一泊招待される

No.17 フィンランド、ラップランド地方を更に北上 

ムーミン童話全集〈1〉/ムーミン谷の彗星 ムーミン童話全集 下村 隆一 (翻訳), トーベ・ヤンソン, Tove Jansson

 

    ■はじめてだった、フィンランドひとり旅■     

19xx年7月13日()  Kärsämäki

 

■ 今日はKärsämäki まで

今日は Kärsämäki まで、距離として20キロもないだろう。そこまで行こう。一日掛けて歩いて行ける距離だ。そう決めた。無理はしたくもない。一気に長距離を行くことばかり考えていたが、ここでもっとゆっくりとペースを落とすことにした。途中での道筋、現地の人たちとの交流が持てる機会がやってくるのを密かに期待してもいた。

 Kärsämäki は<>E4、国道4号線における最後の大きな村と言えようか。ヘルシンキ駅構内で貰った、 手元のフィンランド地図を見ると、その先には地図上もう主だった村は何もないようだ。<>Ouluまでは無名の道路ばっかりが続くようだ。Kärsämäki 村では今後の準備を全部行い、食料も相当量買え備えておかなければならない。

昨夜、いや昨夜の続きの、早朝は冷えた。7月の日本だったら暑いのに、 フィンランドの7月は寒いこと。寝袋の中に入ってこんなに寒さを感じたのは初めてだった。 芋虫のように全身頭から寝袋の中にくるまっていた。顔だけを出して外、目の届く先をみやると霧がたちこめていた。 今日は天気になるぞ、そう思った。

 

午前8時10分、起床。出発するまでの時間はどうも手間取る。

鉄砲の音が聞える。何をやっているのだろう? と、子供が、いや若者が裸足でやって来ていた。手招きでこっちへ来い、と合図している。 ヒロは両足を投げ出すようにして隣に腰を降ろす。さっそく辞書を片手に話し掛ける。フィンランド語の単語を並べて訊いてみる。

 「鳥を、撃つ、君?」

 ヒロのフィンランド語が分からなかったのか、あまり反応を示さない。それよりも誰か友達でもやって来たらしく、ワアーと大声を張り上げたかと思ったら、 ヒロの所から離れて行った。暫くすると、合計三人で現れた。仲間を連れて来たらしい。

「ハロー」

 女の子の声。

「ヒューヴァア フオメンタ おはよう」

お父さんと彼の、小さなお姉さんらしい。可愛い顔をした女の子。さっそく辞書を取り出して単語を並べる。

  「皆んな、起きるの、早いね!」

通じたのか、どのなのか、仕事だということで直ぐに行ってしまった。人のことなど構ってはいられないといった家族構成のようだ。

  

午前9時40分、出発。まるで布団の上をむざむざと歩いて横切るような感覚で、枯れ草の上を歩いて国道にたどり着き、さっきの三人の横を通って行く。

 Naekemiin! 野良仕事にやって来ていたのだ。彼等達の野良仕事風景を写真に撮っておけば良かったのに。彼等達の姿が見えなくなってしまってから残念がっている ヒロ。

歩き続けることは昨日も今日も相変わらず同じだ。ヒッチハイクのサイン、親指だけを立てて恰も親指の先から放たれた矢印の方向へとそのまま矢(つまり車)の上にまたがって連れて行って貰いたいというサインを放っても、車はそんなことはお構いなしに矢の如く素早く通過して行ってしまう。

 

    ■ 水浴び

体が臭うためかフィンランドのハエが何匹もまといつく。手で払いのけても逃げない。しつこい、しぶとい。そんなに良い臭いなのか。どこまでもつきまとってくる。

そういえば、何日も体は洗っていない。そうしたい気はあっても、こういう旅をしていると、そう簡単には機会が回ってこない。服装も全体的に汚れてきてしまっている。車が止まらないのも汚い格好をしているからなのかも知れない。

それにしてもいい天気だ。前方、橋らしきものが見える。と、いうことはその下には水が流れているということだ。

さあ、水浴だ。得がたい機会を得たいと思っていたら得られた。タイミング良くも機会が与えられた。そうだとしか考えられない。

午前11時半。まさか、こんな道路の下、誰か人が来ることもあるまい。密かに全裸になって水浴だ。この感覚、ゾクゾクする。冷たい川の水。序に下着から何から全部、着ていたもの、タオル等々全部、水に漬け、簡単なもみ洗い、そして雑巾のごとく絞る。大きなハチがつきまとってくる。この俺様はハチにも好まれる臭いを放っていたのか。

昼食、レイパを食べ切る。チーズを食べ切る。Kärsämäkiで買えば良い、そんな気持ちが働き、一種の余裕感の溢れた食事であった。食事をしながらも、思い出していた。

「旗を振れば車も止まるかも知れない」

あのドイツ語教師は教えてくれた。勿論、日本の旗のこと。

食後、さっそく日の丸の旗作りに取り掛かった。白い紙、正方形の中央に、お馴染みの、大きな赤い丸。単純明快なデザインなので作るのにも苦労しないで良い。それを今度はその辺を探し回って適当な長さの木の枝を取ってきた。それにくくりつけた。出来上がり。まあ、実行は明日からということにしよう。

 

本日の予定、Kärsämäkiまで、あと何kmか・・・そんなに遠くはなかろう。歩いてゆける距離だ

  午後1時、出発。歩くことが何となく楽しく感じられる。気分が良い。水筒の水も全部飲み切ってしまおうとしている。

道路沿いを歩いていると、あのおじさんは家の中から不審顔で外を見ていた。ヒロの方を見ていた。どこから来たのだろう? 何をしているのか?

通過して行った車は後ろを振り返る。誰がこんな所を歩いているんだろうか?

    あと3km。楽勝、楽勝。

 

■ Kärsämäki に到着

午後3時20分、到着。静かだ。人出が少ない。静けさが辺り一面に漂っている。Konkinkangasにやって来た時もそんな感じだった。尤も、あのときは雨が降っていた。

店はどこも閉まっている。これは予想外だった。国道沿いの店の一角に菓子などを売っているキオスクで聞くと、明日の日曜日も閉まっているとのこと。食料獲得もこれではどうしようもない。レイパ菓子をその店で買わざるを得なかった。

知らぬ間に自転車に乗った子供たちが人の歩いて行く所についてくる。あっちへ、こっちへと自転車を運転しながらも、フィンランドのハエだけではない、ハチだけではない、子供たちまでも ヒロにまとわりつくかのようだ。

このヒロをカモ、いや目当てにしているようでもある。何か欲しいのかな。見慣れない外国人がそんなにも珍しいのかな。行き場所がないのか、退屈しているのか、先の方へ行ったと思ったら戻って来る。飽くまでも ヒロをマークするといった風情だ。発見したので逃がさないぞ、と言いたげでもある。

 

ヒロと話したいのか。そうらしい。

 何かを書いているのを覗きに来る。

       「Mielenkintoinen (ミエレンキントイネン)?」と聞いてみた。

     「Jo

 空気を喉の奥の方で吸い込むような声と言うか、音と言うか、その一人が同意の返事をした。

  

今、午後6時だ。教会の鐘の音が頻りに鳴り響いている。先ほどまでオルガンの演奏が聞えていた。後で分かったのだが、実は教会での結婚式だったのだ。

  

 

 

 

ちょっぴり、フィンランド語をどうぞ。

旅の途中で覚えたものです。

tonight= tänä iltana

bench= penkki

 

good morning =

Hyvae huomenta

 

 

 

 

 

 

 

 

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