海岸近くの川辺ではじめてご飯を炊く、とてもショッパイ!      ヨーロッパ一人旅↑    NordKap の台地(大地)の上で仮眠する


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スウェーデン・ノルウェー編  

No.19」海岸近くの川辺ではじめてご飯を炊く、とてもショッパイ!

No.20」NordKapへの道程

No.21」NordKap の台地(大地)の上で仮眠する

 

No.20 ■はじめてだった、ヨーロッパ(ノルウェイ編)ひとり旅■  

           19xx年7月20日(土)小雨後曇り Repg→ Nord Kapp

 

 

■Honningsg

フェリーボートは午後1時35分、に着いた。Nord Kapp へと更に近づける。あとは陸路をいわば一直線に進んで行くだけだ。

午後の一時、まずは銀行へ行き、両替。そして郵便局では切手を買う。スーパーマーケットでは食料の買い入れ。

Nord Kapp 行きは明日にしよう。今晩は十分に休養を取って、明朝出発だ。一つ一つの行動を取りながら、そんな風に悠長に考えていた。

別のスーパーマーケットに来てみると、あの国道95号線への入り口近くで 昨日会ったドイツ人ヒッチハイカーに奇しくも再会した。一リットル入りの縦長牛乳パックをラッパ飲みしている。 その姿がなぜかヨーロッパ人ヒッチハイカーの特徴でも表しているかのように見えた。今晩はYHに泊まり、午後11時のバスで Nord Kapp まで行く、とか。白夜を見るのだ、と。

 「ここまでどうやって来たの?」と ヒロ。

 「バスを利用して来た」

 「君はどうやって?」

 「ヒロかい、ヒロは相変わらず歩き続けたし、タクシーをヒッチした、 いやタクシーにヒッチされてしまった。そのYHはどこにあるの?」

 「黄色い建物の左を曲がって、そして、すぐに分かるだろう」

 「じゃ、また」

そのYHへと行ってみた。聞いてみると、今晩の宿泊者は女性3人、男性2 人だそうだ。宿泊予約を入れた後、「午後11時までには戻って来ますので」と 英語を話す受付の女性に告げてそこを去った。 

さてと、どうしよう? 暗くなるまで待って ――― 何処かで聞いたよう な文句、確か映画のタイトルだったように記憶している ――― 暗くなるまでその辺をうろうろしていても時間の無駄使い。 いっそうのこと、今日のうちにNord Kappに行ってしまおうか?

 

■Nord Kappへとただ一人ゆっくりと歩き始める

午後5時45分、Nord Kapp へ行くことにした。ジーパンは履いたまま。

街から離れるに従って、人も車も極端に少なくなる。未舗装の道路は車のタイヤで踏み固められた、 凹凸の激しい轍道のようになっている。そんなぐちゃぐちゃの土道を足元も危なげに伝って行く。

タクシーに乗せて貰えたのだから、道中、また別の車に乗せて貰えるだろう。 そんな淡い期待感を抱きながら、両肩と背中には重いリュックサック、ゆっくりと歩き始めた。

灰色の巨大な岩石の固まり、左側、海にそのまま迫っている。恰も巨大な岸壁のように見える。絶壁をなす海岸。

風がとても強い。海からの風、吹き下ろし。髪は乱れ顔面にびしびしと当た る。堪らない。痛い。この強風、文字通り強風過ぎて一歩、また一歩の前進に 困難が伴う。押し返されそうだ。後ろへと吹っ飛ばされそうだ。

車が来ない。来るまでのウォーミングアップの積もりで相当の時間を歩き続 けた。頃合いを見計らって心の内はヒッチを開始。こんな狭い、険しい道路では無理なのか?

午後6時15分、ベンツ、新車だ。漸く、一台目、止まった。子供三人と夫 婦。奥さんはわざわざ後席へと移り、奥さんの代わりにヒロが助手席に納まった。 便乗は15分間だけであった。流暢な英語を話すご主人であった。

 「あと一マイルばかり歩いて行かなければならないですよ」

 下車する時に教えてくれる。

とても寒い。風は相変わらずとても強くしかも冷たい。腹も減ってきた。風 下にリュックを背に身を浴びせる様にして腰を下ろしパンをかじる。

午後6時45分、厚着になる。首にはタオルをマフラーのように巻き着け、 手袋も取りだし、腹には防風と暖房を兼ねてビニール袋を腹巻のようにして当てた。

おお、自転車で行くと言うのか! イギリス人らしい。自転車を漕いで 彼もNord Kappへと向かって行く。この道は何処へと通じているのか。ローマ? 違う。Nord Kappに決まっている。今、ヒロの脇を通過して行こうとしている。抜かれてしまった。

抜かれてしまったが、そのまま歩き続けていたところ、またも車をヒッチす ることが出来、その車に乗ったまま彼を追い抜いた。が、暫くしてまたも彼に 追い抜かれてしまった。車から降りてまたしても、とぼとぼと歩いていたのだった。

追い抜いたり追い抜かれたり、お互いに意識していたわけではなかったが、そんな風に追いつ追われつNord Kappへと少しずつ近づいて行く競争をしていた。 正しく亀とウサギの競争のようでもあったが、結局亀のヒロはウサギには勝てなかった。事実は小説よりも奇なり? 

午後7時35分、また徒歩開始だ。厚着をしたので少しは寒さも防げたが、今度はどうしたことか、鼻水が出てくる。鼻での息が出来ない。

見上げると、どす黒い雲が空一面を覆っている。上り坂、行く手を風に妨げられて登り難い。

10分後、前方に赤い車が止まった。運転席から顔を出して、何か言いたいことが言えず、難儀しているといった風である。 やっとそれらしき言葉が思い付いたらしい。

 「Lift?」 

ああ、乗せてくれるらしい。奥さんと息子さんは一緒に助手席に、ヒロは後席に一人で納まった。スウェーデン家族であった。

 

 

 

 

 

 

海岸近くの川辺ではじめてご飯を炊く、とてもショッパイ!      ヨーロッパ一人旅↑    NordKap の台地(大地)の上で仮眠する

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