スウェーデンからの最新情報
人間死体処理法
ちょっと「縁起でもない」ようなタイトルをつけてみましたが、ぞっとしましたか?
以下ではもっとぞっとするような話をこれからお伝えしましょう、というのはウソですが、ちょっと気になりません?
何か新しいことが発明、発見されると、人間のことですから、悪用されないとも限らないのが昔のこと(つまり今世紀のこと)でしたが、そうならないことを期待するものです。
当地(オーストリア)の新聞記事[2004年5月28日(金)付]からの引用で す。私的訳文が続きます。
記事中の、発明者の言葉:
「
パパも同じ分子で出来ている、その分子がこの植物を成長させているのよ」 Susanne Wiigh 死体処理専門家。
<大見出し>
スウェーデンで「新・死体処理法」:死体は将来、肥料になる
<小見出し>
スウェーデンJönköping発 スウェーデン南部のJönköping市では人間の死体を肥料に生まれ変わらせるという施設がまもなく建設される。得られた腐植土からは新しい生命が生まれる。
<記事本文>
自然環境にこれ程やさしい埋葬法は他には見当たらないのです、と「新死体処理 法」を発明した、スウェーデンの生物学者、Susanne Wiighは強調する。というのも、火葬であろうと土葬であろうと、それらは大気や地下水を汚染させるし、海水葬にあっては海洋のエコシステムを滅茶苦茶にしてしまうのですから、と。
彼女が開発したエコロジー埋葬法によると、まず人間の死体を死体焼却場に似た 施設を使って、液体窒素の中でショック冷却(零下196度)処理、その後、機械 的な振動を加えることで粗引きの粒状粉末に変えてしまう。
続いて、この粉末を乾燥させ、後に残った遺骸からは金属を取り出してしまう。そうすることで例えば体重75キロの死体は25キロほどの細かい、桃色とベージュ色の混合色のグラニュートが得られることになる。
これが本当に肥料として使用可能かどうなのか、それはこの生物学者の家の裏庭(別のソースで読むと、前庭となっています。訳者)で観察できる。そこにはシャクナゲが咲いているが、これは彼女の死んだ猫、Tussanちゃんによって成長したものなのだ。
遺族の皆さんは亡くなった人の墓石の代わりにひとつの植物で代用させることが出来るでしょう、と彼女は言う。彼女によれば、亡くなった人のことを思いやるにはこうすることが最も美しい方法なのです。「例えば、お父さんが亡くなったとして、このように言うことができます―― パパの分子と同じものが今はこのお花の成長に役立っているのよ」と。
これは一エコロジー活動家の妄想ということでニヤリと微笑んで無視することも出来るかも知れないが、実は大きな経済的な理由がいくつかある。
南スウェーデンのヨンショッピン市では、市の古くなった死体焼却所をこのWiighさんの案に沿った施設でもって置き換えることに決定済みで、新たに同じ焼却所を建設するとなると2百万ユーロも掛かるのだが、こちらのほうがもっと安く付くというもの。
彼女の新発明は35カ国で既に特許申請中とのこと。まもなくオランダでもこの施設が建設されることになっている。買い注文がどんどんと入ってくることについては、環境についてうるさいヨーロッパ諸国からだけでなく、火葬を禁止しているイスラム教の国々からも入ってくることを期待している彼女だ。
スウェーデン教会自体もこのエコロジー埋葬方式には関心を持っている。というのもこの発明者の会社(Promesaという、別途調べました、訳者)の株、既に5%を取得しているからだ。
以上、私的翻訳引用終わり。
福祉の国、スウェーデンならではのアイディア出現! ということが言えるでしょうか。自然環境破壊に対する警告が何年も叫ばれ続けてきている今日、これも一つの好ましきアイディアの実現化でしょうか。ゴミのリサイクル運動はさらに人間のリサイクル運動」へと進化する? 自然から頂いたものは自然へと帰ってゆくべきだ、とも言われますが、正にそれを実行、ついでにお金も稼いでしまいましょう、ですね。。
さて、日本でも導入されるでしょうか? 日本人の生死観、倫理観とも関わってくる問題と思われますから、難しいかも。日本の業界、葬儀屋さん、墓石製造業者さん、墓石輸入業者さん等はもしかしてすでにこの情報はキャッチしているかと思われます。
一般の国民にはまだ知られていないのではと思われますが、どうでしょうか。日本にいませんので分かりません。
日本でも導入されるとしたら、どうなるでしょう? 受け入れる人が出てきても不思議ではない。
わたしの頭で想像すると、まず、この葬儀法が次第次第に日本の一般市民に受け入れられるに従って、従来のお葬式屋さんは職(食?)を失うことになるかもしれません。いや、お葬式屋さんはなくならないでしょう。これは死体焼却法または処理法についての代案が提出されたことになりますから。
そもそも、日本は全般的に火葬の国。仏教徒であると自認または自覚していようといまいと火葬される運命にある日本人の殆どですよね。特定の宗教の信奉者にとっては土葬とか水葬が有り得ますが、発明者が主張しているように、どの埋葬法も自然環境には宜しくないとのことのようです。自然にやさしい埋葬法、人間にもやさしい埋葬法かどうか。日本では喧々諤々?
埋葬に至るまでにはたくさんの費用が掛かるということで、つまり葬式に多大の金が掛かり過ぎるという批判は色々な所からあったし、あるし、また葬儀に関しての関係当事者の思惑やら特権が絡んでそう簡単には処理出来ない”問題”かもしれませんね。
でも色々と考えるヒントを与えてくれます。
こちらのエコロジー埋葬法の方が費用の面で安く出来る、ということも受け入れられて行く契機となるかもしれません。
「あなたの愛するおじいちゃん、おばあちゃん、お父さんやお母さんはお達者ですか。亡くなったらもっと花を咲かせてあげましょう。それが親孝行というものです」
よく言われるように、死んだらあのお空の星になるのではありません。
「死んだら美しいお花となって生まれ変わるのです」
などといった広告がある日、マスメディアに登場するかもしれませんね。ちょっと露骨か? 不謹慎でしょうか。
この埋葬法を採用することで、従来からのお墓参りは出来なくなります。そもそもお墓はないのですから。上でも書きましたように、墓石屋さんは商売あがったりになるかもしれません。狭い日本、生きている人たちは生前から墓地確保に気を使わないで済みます。墓地維持費もカットされます。その分、お寺、お坊さんの経済状況は悪化するかもしれません。
普通人の墓と比較することは出来ないのかもしれませんが、有名人の墓も、人類 に貢献した(いや、これから多大なる貢献をする人もでてくるでしょう)人たちの墓もこれからはなくなることになるとなると、こんどは有名人の墓を目当ての観光事業も出来なくなり、観光資源の一部減少、観光収入の減収となってしまうかもしれません。どこの国のことを言っているのかは表立っていいませんが、墓がないと不都合なことも色々と出てくることでしょうね。だから墓はなくならないということになるのでしょうか。
人間の死、その死体の処理について、いわばタブー視されてきたのが、ここで以って直視する契機となるかもしれません。
人間の死。肉体的な死。
死んだら全て終わりなのか? 死後の世界。霊界はあるのか、ないのか。
肉体的な死と死後の世界とは何ら関係がないのか、どうなのか?。
墓と死後の世界とは関係があるのか?
関心ありますか?
この新死体処理法についての記事に関してもっと詳しく知りたい方は、彼女の名前でインターネット検索をして見てください。このドイツ語新聞記事よりもところどころもっと詳しい事実が読めます、知ることが出来ます。ただ、英語、ドイツ語、フランス語、スウェーデン語等で記事が出てきます。お含み置き下さい。いやあ、ベトナム語でも出てきた。
日本語での検索はしていません。出て来るのでしょうか? どなたか結果をお教えください。自分への楽しみ、ということで敢えて日本語検索はしませんでした。
(30.05.2004)